顕微鏡写真

この写真の種は、MWS製作プレパラート「Jシリーズ」J103に入っていた種です。
 珪藻のプレパラートは通常マウントメディアという封入剤が使われ、その封入量は試料を壊さない程度の薄さになるわずかな量です(マウントメディアの屈折率は1.7と高い数値があります)。 試料とマウントする液剤との屈折率差の大きいほうが試料は観やすくなりますが、マウントする量が厚ければ鮮明さを失ってしまいます。薄くしすぎると折角の珪藻の被殻が壊れてしまい、何度も作らなければその量の加減はなかなか掴み難いです(MWS製作「Jシリーズ」に使われている封入材は別物のようです)。
 きのこの場合、染色などをして色の薄い組織などを検鏡しますが、どうにか珪藻のプレパラートのように鮮明に観て撮ることはできないものかしばしば考えさせられることがあります。
 私がやっていることとして、胞子はスライドグラスに落とすのではなくカバーグラスに落とす、つまりカバーグラスに張り付いた動かない胞子を撮る、切片は出来るだけ薄く作る(相も変わらず下手なのですが^ ^;)、出来るだけそのことを心がけています。水の中に浮いている胞子は微細に震えるように動いています(ブラウン運動)。このような胞子を撮ることもピンボケの原因になります。

 私は顕微鏡写真を手軽なデジカメ(ニコンクールピクス995)で撮っています。レンズが内蔵されており、スイバル式でモニターを回転させ自分の見やすい位置に変えられるのでとても便利なのですが、残念ながら数年前にすでに廃盤商品となりました。初めて手にしたのは990で、その後995を入手し現在3台目を使っています。いずれもヤフーオクションで入手しました。
 手持ちのカメラしか使い方は分りません。カメラの設定はフルサイズファイン・A(絞り優先)モード・遠景モードです。モニターを見ながらピント合わせをします。大きく良い画質で撮り、後で縮小します(縮小することによって画質が引き締まります)。最初から小さなサイズ低画質で撮るとそれ以上にあまり綺麗に仕上がりません。被写界深度(F値)は出来るだけ浅くとります。マクロモードにすると、カメラはピント合わせに行ったり来たり結局は像にピントを合わせられないことが多いです。遠景モードにすると画面は固定します。
 そして忘れてならないのがプリセットホワイトです。顕微鏡写真を見るとしばしば異常に青味がかっていたり赤味がかったりしているのを見かけます。これは顕微鏡の明るさなどを変えた場合にカメラの設定を変えていないためです。モニターを見ながらピント合わせをしたら、何もないところへ移動しホワイトバランスをプリセットします。そして撮る元の場所に戻って、レリーズを使いシャッターを切ります。レリーズがない、あるいは使えなくなってしまったときにはセルフタイマー(マクロモードの場合、距離はINFにすると遠景モードと同じになります)を使います。ピントがずれたと再びピントを合わせをしたりすると、微妙に色合いが変わってきます。光源の明るさを変えたときばかりでなく、ピントを変えたときにもホワイトバランスはプリセットします。
 暗視野照明の写真を撮るとき、何もない暗いところでホワイトバランスをプリセットしますが、そのまま試料を撮ると、試料のほうが明るく試料の像は飛んで写ってしまいます。中央測光や露出補正をします。

 きのこを撮る時、何でもかんでも撮れば良いというものではないように、顕微鏡写真も撮る場所を考えます。試料の深度がわずかに違うだけで、一部はピントがあっているものの他はボケているということがあります。上の珪藻の写真は全体が綺麗に撮れていますが、封入剤の厚みや試料の厚み自体によって試料の深度にアンバランスなものがあります。出来るだけバランスの良いものを探し出して撮る(被写体を選ぶ)ということも、綺麗な顕微鏡写真を撮ることの重要な条件かと思います。

 無料でDLできる画像処理ソフトやPCに最初から入っているペイントなどありますが、より自然に綺麗に仕上げるためにぜひとも画像処理ソフトは持っていたいものです。私はペイントショッププロを使っています。
 画像縮小と余分なところはトリミングし、明るさとコントラストを加え、必要に応じてヒストグラム調整およびアンシャープマスクの効果を加えています。
 上の写真は元画像とブランク画像を撮り2枚の画像を減算処理し、それから縮小やトリミングをし出来上がった画像です。レンズについたゴミやどうしても現われる渦巻きなど減算処理によって消すことが出来ます。減算処理はホワイトバランスを忘れたときにも青味や赤みなども減算されとても便利な機能です。
↓顕微鏡デジタル画像における光学ノイズ除去↓
http://park18.wakwak.com/~fungiman/urayama/micro8.htm

バーを入れる
 左の画像はチャワンタケの胞子です。デジカメの設定をフルサイズ・ファイン、T側で撮り減算処理している画像です。
 カメラの設定を同じにし対物ミクロメーターの目盛りを撮って保存します。バーを入れたい画像と対物ミクロメーターの画像を同じ縮小にし、目盛りからバーを作りコピーペーストします。バーの長さや文字を入れて出来上がりです。
 毎回バーを作り出さなくても良いように、バーをあらかじめ作っておき、すぐにコピーペースト出来るようにしている方もいます。しかし、設定を変えていたことを忘れ失敗することもありますので、その度毎対物ミクロメーターの目盛を撮ることをお勧めします。

また、胞子や組織を計測するには、計測にとても便利なPhotoRulerがお勧めです。PhotoRuler(フリーソフト)のDL先は↓
http://hyogo.inocybe.info/

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