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子実体3種教えて下さい  投稿者: konpas 投稿日:2010/10/13(Wed) 17:21 No.1968   HomePage

懲りずにまた教えていただきたく投稿しました。
3種類の子実体についてお願いします。
子実体1(発生日;平成22年10月9日(土)
ハラタケ類でしょうか?
福島県の標高800m付近のブナ,アカマツ,コナラの混生林で,下草はあまり生えていない中に,ポツンと発生していた。
子実体全体の高さは15センチ。
周辺にはドクツルタケ,ツルタケダマシかミタマタマゴタケが散生していた。
遠目で最初に見た時はシロタマゴテングタケかと思った。

直径5.5p,高さ3.5p。白色で中央部が僅かに薄褐色を帯びる。湿時粘性無し。ルーペで観察すると繊維状のウロコ模様を形成している。
ヒダ
柄に離生。密で初め薄いピンク色で6時間後には褐色味を帯びていた。20時間後には黄褐色に変色。

初め白色。採集6時間後にはやや褐色味を帯びてきた。
上部は絹糸繊維状で中〜下部は細かなササクレを生じる。
内部は固くて中空で,絹状光沢がある。
基部に菌糸?がまとわりついている。また,直径6ミリと3ミリの丸い粒が付いている。これから成長する子実体なのだろうか。
ヒダを覆うように大きな内皮膜があった。成長と共に大きなツバとなるのだろうか。
傘と柄はかなり離れにくい。柄の基部を逆さに持ち歩いても離れない。
ツボ
無し。基部が僅かにコブ状に膨らむ。

子実体1については以上です。
よろしくお願いします。





Re: 子実体3種教えて下さい   nivalis - 2010/10/13(Wed) 19:35 No.1969

こんばんは konpasさん

>ハラタケ類でしょうか?

ハラタケ属のきのこですね。
最初、ハラタケそのものかな?と思ったり、白いハラタケ属のきのこはいくつかあり写真と記載だけでは判断がつかない・・・感じなのですが
柄がややピンク色を帯びていることから(単なる絵合わせ^ ^;)
Agaricus silvicola (シロモリノカサ)ではないかな?・・・そんな気もします(かなり無責任)。
http://users.skynet.be/deneyer.mycology/champis/agaricus_silvicola_%28yd%29_1.htm

>また,直径6ミリと3ミリの丸い粒が付いている。

原基かもしれませんね。




Re: 子実体3種教えて下さい   イグチ 潔 - 2010/10/13(Wed) 23:57 No.1970   HomePage

 今回もたっぷり添削させていただきますよー(ぉぃ !?)


   >繊維状のウロコ模様

 単なる「模様(二次元的で、かさの表面から盛り上がらない)」なのか、それとも「繊維状の微細な鱗片(かさの表面からは多少とも盛り上がる)」のかが不明ですね。写真から見る限りでは、後者のように見えますが・・・
 また、もし後者であるならば、個々の鱗片が、手で触れてもかさの表面に固着して脱落しない(永存性)であるのか、容易に脱落する(消失性)であるのかも記述する必要があります.
 さらに、繊維あるいは鱗片のおおまかな配列パターンも、見逃さずに観察しなくてはなりません.


   >基部に菌糸?がまとわりついている

 まとわりついているのは、綿毛状の菌糸の塊(菌糸マットとか、菌糸塊とか、あるいは菌糸堆などと呼ばれる)でしょうか? それとも、細いひげ根状の「菌糸束」でしょうか? あるいは、その両方でしたでしょうか?


   >ヒダを覆うように大きな内皮膜

 内被膜はひだや管孔を保護するための器官ですから、「ひだを覆う」のは当たり前で、記述する必要はないかと思います.

 むしろ、つばの質がどのようなものなのか・二層以上からなっているのか一層のみなのか・上面(ひだに面した側)に光沢や条線あるいは条溝などはなかったのかどうか、などを詳しく記述するべきです.
 写真のきのこでは、つばは、やや厚くて丈夫な下層と、砕けやすくてもろい上層との二層で構成されているように見えます.


 柄のサイズ(おおよその長さ・最も細い部分と最も太い部分とにおける径)が記述されていないのも問題ですが、かさの肉についての所見がまったく述べられていない点はもっと問題です.
 肉の質や厚みなどについては、ハラタケ型のきのこならば、どのグループでもいちおう記述する必要がありますが、ハラタケ属の種レベルの分類では、特に肉のにおいと、傷つけたり触ったり砕いたりしたときの変色性(赤変するか黄変するか、あるいは変色性がないのか)とが特に重視されます.
 ちなみに、Agaricus sylvicola においては、肉にはアオイヌシメジに似た香りを有し、さらにゆっくりと黄変する性質があり、傷ついて黄色く変色した部分は長時間を経ても黄色が褪せないといいます.

 また、水酸化カリウム溶液に対する黄変性も重要です.Agaricus sylvicola では、肉は水酸化カリウムに対して強く反応して鮮黄色となります.

 なお、ハラタケ属の分類においては、濃硝酸(無色)とアニリン(微黄色)とを用いた「シェーファー反応」という検査法も重要なキーとして用いられています.
 ハラタケ属のきのこのかさの表面に、細いガラス棒の先に着けた硝酸でラインを引き、このラインと直交するように、別のガラス棒に付着させたアニリンで二本目のラインを引きます。二本のラインの交点において鮮橙色の変色が認められた場合には「シェーファー反応は陽性」、ほとんど変色しなかった場合には「シェーファー反応は陰性」と判断しますが、A. sylvicola ではこの反応は陽性です.
 硝酸は強い酸化力(≠腐蝕性)を有する劇薬ですし、アニリンも変異原性(≠発ガン性)を多少とも有するため、初心者には少々難しいテクニックではありますが.



  画像だけから判断する限りでは、シロモリノカサではない!と断言はできないですが、肉のにおいと変色パターン、およびつばの構造の詳細が不明ですので、シロモリノカサである!との断言もまた、できません.




Re: 子実体3種教えて下さい   konpas - 2010/10/14(Thu) 11:51 No.1971   HomePage

Nivalisさん,こんにちは。
早速の返信ありがとうございます。
お礼遅くなりましたが「「東北きのこ図鑑」2009を教えていただきありがとうございました。早速セブンネットで注文しましたので,今日到着予定です。

ハラタケも同定が難しいのですね。私の持っている図鑑で確認したのですが,名前までは載っていますが写真や詳細な解説は載っていませんでした。
原基というものあるんですねぇ。また分からない言葉が出てきました。(笑)
いつもありがとうございます。この後,子実体2と3も投稿したいと思いますので,よろしくお願いいたします。

イグチ 潔 さん,こんにちは。
詳細な記述ありがとうございます。
今後の参考とすべく,イグチ 潔 さんの解説をコピーして保存しておきます。

子実体2と3も投稿したいと思いますので,よろしくお願いいたします。





ミヤマタマゴタケでしょうか  投稿者: konpas 投稿日:2010/10/05(Tue) 10:42 No.1961   HomePage

こんにちは。
10月2日に宮城県の標高1,000m付近にたくさん出ていました。
それぞれの個体を見ると微妙な違いがあり,頭の中が混乱しています。
ツルタケダマシかと思いましたが,傘の中央と周辺が同じ色,条線が短いことから,疑問を持ち図鑑などで確認すると,ミヤマタマゴタケ(仮称)のようにも思われます。ただ,柄のササクレがほとんど目立ちません。
ツルタケダマシ?ミヤマタマゴタケ?それとも他のキノコでしょうか。





Re: ミヤマタマゴタケでしょうか   konpas - 2010/10/05(Tue) 10:55 No.1962   HomePage

他にもよく似たキノコがでていました。
先頭画像のキノコは笠に条線が見られませんので,コテングタケまたはコテングタケモドキかなと思っています。

画像の1〜3枚目はまた別の個体です。
ミヤマタマゴタケだったら初めて知るキノコなので嬉しいのですが。
条線が短い,柄のササクレが顕著ですが,ツバがハッキリしません。このような場合は,ツバが無いと見て良いのでしょうか。それとも個体が若い?のでこれから垂れ下がってくるのでしょうか。
用語もよく分からないので,お教えいただきたいのですが,柄の内部のこのような状況を「中実」と見て良いでしょうか。

ご教示の程よろしくお願いします。





Re: ミヤマタマゴタケでしょうか   イグチ 潔 - 2010/10/05(Tue) 22:53 No.1963   HomePage

  >標高1,000m付近

 きのこの同定に重要なのは標高ではなく、その標高において、発生地の付近にどんな樹木があったのか、ということです。標高をチェックするよりも、樹種が正しく見極められる知識が重要です.
 ただし、テングタケ類は、外生菌根を作る樹種をあまり厳密には選ばないとされています.


  >それぞれの個体

 一本の子実体は「個体」ではありません! 私は「個々の子実体」とか「それぞれの生標本」などと記述することにしています.
 Konpasさんだけではありませんが、地中の菌糸と地上の子実体とをすべて合わせて初めて「個体」扱いです.菌核などから発生するきのこなら、その菌核も含めて「個体」扱いとするべきです.


   >微妙な違い

 kompasさまが観察した結果として、結局のところ「違い」はあったのですか? なかったのですか? 違いがあるのかないのか、自信が持てなかったのですか?


  >ミヤマタマゴタケ(仮称)

 ミヤマタマゴタケの名は、すでに正式和名となっているはずですが…いまだに仮称として挙げている図鑑があるのでしょうか???


  >柄のササクレ

 柄の表面がささくれるかどうかは、子実体の発育段階の違いや、発生地周辺の環境にも大きく影響されるため、種の「決め手」としてあまり重視しないほうが無難かと思われます.


  >図鑑などで確認・・・

 具体的に図鑑名を挙げ、その図鑑の記述とどのような点で共通し、どのような点が相違しているのかを書き込んでいただくと、他の方々もコメントがいっそうやりやすくなるでしょう。


  >ツバがハッキリしません

 3枚目の写真を拝見するかぎり、きわめて明瞭な内被膜が認められています.これを「ハッキリしません」とする理由がむしろ判りませんが(汗).
 厳密にいえば、「柄の上に、リング状に残った内被膜」こそが「つば」であるというべきで、「内被膜」は、「将来は明瞭なつばとなるもの」ばかりでなく、フウセンタケ類に認められる「クモの巣膜」なども含めた、やや広い意味を持つ用語です.


   >柄の内部のこのような状況

 最後の写真で、子実体の柄の縦断面をみると、この状態は「柔らかい髄を有する」と表現しておくのが無難である(おそらく、子実体のさらなる生長に伴って、すみやかに中空となるでしょう)と考えます.


 子実体のサイズも判りませんし、顕微鏡的特長も不明、さらに発生地の林相についても記述がないので断定はできませんが、与えられた情報のみだけに基づいて判断するとすれば、「ミヤマタマゴタケ」と同定しても間違いとはいえないと(ごく控えめに)考えます.


 今回の「観察レポート」は甘く採点して10点ぐらい? 100 点を目指してさらに練習してくださいませね(ぺこり)




Re: ミヤマタマゴタケでしょうか   konpas - 2010/10/06(Wed) 19:31 No.1964   HomePage

イグチ 潔 様
詳細なご教授ありがとうございます。

>与えられた情報のみだけに基づいて判断するとすれば、「ミヤマタマゴタケ」と同定しても間違いとはいえないと(ごく控えめに)考えます

とのことと,他にも詳細にご教示いただいたので,再度投稿させていただきました。

>その標高において、発生地の付近にどんな樹木があったのか、ということです。

最初の投稿(No.1961)の写真は同一子実体で,スギ,アカマツ,カラマツがポツポツと混じる,コナラなどの雑木林の登山道付近に発生していました。カラマツのあった登山道付近には幾つかのハナイグチが発生していました。

No1962の写真の子実体はブナが少し混じるコナラなどの雑木林からブナが全く見られない雑木林の登山道付近に発生していました。スギ,カラマツ,アカマツは全く見られませんでした。この付近にはドクツルタケORシロタマゴテングタケがかなり発生していました。
ちなみ周回コースの登山道なので,林相が違っています。

また,宮城県の標高1,000m付近なので日最低気温は10度前後,最高気温は15度前後の日が続いていました。

 >一本の子実体は「個体」ではありません! 私は「個々の子実体」とか「それぞれの生標本」などと記述することにしています.
 Konpasさんだけではありませんが、地中の菌糸と地上の子実体とをすべて合わせて初めて「個体」扱いです.

なるほど勉強になりました。つまり,一つ?(一塊?)の菌糸から数本?(数個?)の子実体が発生していても1個体となるわけですね。個体という表現は迂闊に使えないと言うことが分かりました。別々の個体の菌糸が地中で絡み合うと,それぞれの個体の識別?はかなり困難な作業ですね。この解釈で間違っていないでしょうか。
これらの「子実体」や「個体」と言う用語は学会等で用語として確立されているのでしょうか。趣味の範疇として知りたいと思いますので,教えていただけると幸いです。

>kompasさまが観察した結果として、結局のところ「違い」はあったのですか? なかったのですか? 違いがあるのかないのか、自信が持てなかったのですか?

私が「微妙な違い」と表現したのは,以下のとおりです。
No1961の写真は条線が見られる。柄のササクレがほとんど目立たない。
No1962の先頭の写真には条線が見られない。僅かに条線らしきものは写真を見ると感じられるが,子実体を確認した時には気がつかなかった。
No1962の3枚の写真は同一子実体で,条線が見られる。柄のササクレが顕著。
以上を「微妙な違い」と表現しました。これらをきのこの同定でレベルの高い人達が「微妙」というのか「大きな」言うのか私には分かりません。
なお,サイズは高さ(でいいんでしょうか)が何れの子実体も10センチ程度。笠の直径はNo.1961では7センチ程度,No.1962のそれぞれの子実体4センチ程度でした。

>ミヤマタマゴタケの名は、すでに正式和名となっているはずですが…いまだに仮称として挙げている図鑑があるのでしょうか???

ミヤマタマゴテングタケ(仮称)の間違いでした。
ミヤマタマゴタケが正式和名として記載された,いわゆる全国版的な図鑑があれば,購入したいと思いますので,図鑑名をお教えいただけないでしょうか。

>具体的に図鑑名を挙げ、その図鑑の記述とどのような点で共通し、どのような点が相違しているのかを書き込んでいただくと、他の方々もコメントがいっそうやりやすくなるでしょう。

参考にした図鑑名と写真の子実体との違いに見えるところを記載します。
日本の毒キノコ150種記載のミヤマタマゴテングタケ(仮称)
傘:灰白色〜褐灰色。周辺に短い溝線を現す。
ヒダ;白色
柄;上部に膜質白色の大きいツバを持つ。表面は白色。綿くず状でささくれる。

画像の子実体は
No1961の写真は短い条線が見られる。柄のささくれがほとんど目立たない。
No1962の先頭の写真には条線が見られない。僅かに条線らしきものは写真を見ると感じられるが,子実体を確認した時には気がつかなかった。ササクレも目立たない。
No1962の3枚の写真は同一子実体で,条線が見られる。柄のササクレが顕著。ツバが無い(下記ご教示で内皮膜がツバであることは理解しました)と思ったが,ツバがある。

>3枚目の写真を拝見するかぎり、きわめて明瞭な内被膜が認められています.これを「ハッキリしません」とする理由がむしろ判りませんが(汗).
厳密にいえば、「柄の上に、リング状に残った内被膜」こそが「つば」であるというべきで、

申し訳ありませんでした。用語の意味すらよく理解できないので,「はっきりしません」と書きました。No.1962の1枚目の子実体全体を見て,「ツバが無い。」でも,切断してみると「薄膜」が見られることから,どのように判断したらよいか迷いました。

「柄の上に、リング状に残った内被膜」でツバの意味が理解できました。切断し内皮膜がある場合には「ツバがある」と表現して良いことが分かりました。ありがとうございます。

>>柄の内部のこのような状況
 >最後の写真で、子実体の柄の縦断面をみると、この状態は「柔らかい髄を有する」と表現しておくのが無難である(おそらく、子実体のさらなる生長に伴って、すみやかに中空となるでしょう)と考えます.

「柔らかい髄を有する」と言う表現は初めて聞きました。勉強になります。用語もいろいろ変わるものなのですね。

以上です。まだ,表現が不足していると思いますが,林相,子実体のサイズ等を記載し,再度投稿しました。ミヤマタマゴタケの可能性が少しは高くなったでしょうか。
よろしくお願いいたします。

さて,管理人のnivalisさま
長々の文面の投稿となってしまい申し訳ありません。なにとぞご容赦よろしくお願いします




Re: ミヤマタマゴタケでしょうか   nivalis - 2010/10/07(Thu) 07:53 No.1965

>さて,管理人のnivalisさま
>長々の文面の投稿となってしまい申し訳ありません。

いえいえ、とんでもありません。
きのこの部分的な用語や、違いを見る目、それを持ち始めた方にとって
イグチさんのコメントは厳しいと思いましたが
でも、勉強になったようで良かったです。

チョッと気になりましたのは
>なお,サイズは高さ(でいいんでしょうか)が何れの子実体も10センチ程度
タマゴから傘を出し始めた幼菌なら、10cm程度のものもありますが
ミヤマタマゴタケは大型で全体の高さが40cmに及ぶものがあり
konpasさんの見られたものは・・・小さ目のものなのかなぁ?と思いました。

なお、ミヤマタマゴタケは
「東北きのこ図鑑」2009、「北海道きのこ図鑑」2007、に載っています。




Re: ミヤマタマゴタケでしょうか   イグチ 潔 - 2010/10/07(Thu) 12:05 No.1966   HomePage

   nivalis さま・konpas さま:

   >コメントは厳しいと思いました

 入試、ではありませんが、敢えて辛めに「採点」させていただきました.きのこの観察の要点について、まったくご存知ない方でしたら甘々・揉み手、の採点を致しますが(笑)

 nivalis さまの、先日の Mycena の日本新産種の発表原稿完成までの、査読者のコメントに比べればぬるかったのではないでしょうか?
 konpas さまも、くじけないでください! まだまだ修行の道は遠く険しいですよ!(笑×2).


   >樹木があったのか

 テングタケ類については「外生菌根を形成する樹木が、発生地周辺にあったかどうか」程度を確認するだけでいいのですが、イグチ類やチチタケ類などを調べる際には、子実体の発生地点から半径30〜50mの範囲内に生えている樹木を網羅しておく必要があります.
 特に、Abies モミ属(モミ・ウラジロモミ・シラビソ.オオシラビソ、およびトドマツ)・Alnus ハンノキ属(ハンノキ・ヤマハンノキ・ミヤマハンノキ・ケハンノキ)や Betula カンバ属(シラカンバ・ダケカンバ・ウダイカンバおよびアズサ)、あるいは Salix ヤナギ属などは、孤立木であってもよく外生菌根を形成します.

 スギ林の中にぽつんと混じったモミから100m近くも離れた場所に、アカモミタケが群生している、といった状況もしばしば観察されます.


   >「子実体」や「個体」と言う用語

 子実体を指す用語としては「Fruiting-body(フルーティング・ボディ)」という語が広く知られていますが、担子菌の子実体に対して「basidiocarp(バシディオカープ)」とか「basidioma(バシディオーマ)」の語も用いられ、「担子器果(たんしきか)」と邦訳されています.
 子嚢菌類の子実体は、同様に「ascocarp(ェイスコカープ)」または「ascomata(ェイスコマタ)」と称されることがあり、「子嚢果(しのうか)」の訳語があてられています.

 菌類の「個体」を近似的に指す用語としては、最近では「genet(ジェネット)」という語が用いられる場合があります.詳しくは、レス No.1928をご参照ください.


   >柄の内部のこのような状況

 柄の中が空洞ではないが、柄の表層が堅く、内部がふわふわと柔らかい場合に「髄を有する(stuffed スタッフド)」の語が当てられますが、「海綿状に充実する」という言い方も使われることがあります.
 きのこの特徴を表現する用語は、「図解 きのこ鑑別法−マクロとミクロによる属の見分け方」を参考にしてくださいませ(笑).


   >「東北きのこ図鑑」2009、「北海道きのこ図鑑」2007

 ミヤマタマゴタケが、新種として正式に記載発表されたのが2001年ですが、店頭で入手できる一般向けの書籍に掲載されるまでのブランクがずいぶんありますよね orz

 日本菌学会の会報に掲載されて「日本のきのこ登録簿」に加えられても、菌学会に入会していないきのこ愛好者に、その情報が行き渡るまでには、時には10年以上の時間が要することもあります.

 菌類研究者の絶対数が少なく、研究に専念できる環境もきわめて限られていること・菌学関係のレポートなどを発表できるメディアが非常に限定されていること、および出版社が、きのこ愛好者にとって有意義な図鑑などの出版に消極的すぎること、の3点が絡み合って負の循環を形成しているのが現状なのでしょう.
 これは、私のような立場に在る者の怠慢が、一つの原因ではありますが.

 一方で、特に、きのこ観察会などで同定を担当する人(あるいは「担当させられてしまう人」^^;)は、「難しい本は読んでも判らない」とか「英語は読めないから Mycoscience は読んだことがない」などとは言っていられない状況に、そろそろなりつつあると感じます.
 ミヤマタマゴタケの原記載は、アメリカ菌学会のオフィシャルマガジンである「Mycologia(マイコロジア)」誌上に発表されたものですし、同じく米国で発行されている「Mycotaxon(マイコタクソン)」誌上にも、多くの日本産のきのこについて、原記載や分類学的再検討の報告がなされています.




Re: ミヤマタマゴタケでしょうか   konpas - 2010/10/07(Thu) 17:09 No.1967   HomePage

nivalisさま,イグチ 潔さま
こんにちは。

>>コメントは厳しいと思いました

nivalisさま,ご配慮ありがとうございます。

 >入試、ではありませんが、敢えて辛めに「採点」させていただきました.きのこの観察の要点について、まったくご存知ない方でしたら甘々・揉み手、の採点を致しますが(笑)

イグチ 潔さまの以前のどなたかへのコメントが厳しかったので,どのような方かなとイグチ 潔さまのサイトを拝見しました。
「きのこの世界の楽しさを,一人でも多くの方に味わっていただきたい」との思いが書き込まれていました。
私自身はほとんど初心者同然で,質問にあたって何を書き込む必要があるかも分かりませんでしたし,私の質問にもまさかこのように厳しいコメントが付くと思っていませんでした。ので,正直ビックリしました。
その上で,nivalisさま,イグチ 潔さまへ
1.言われて向かっ腹が立つ程,より知識が身につく(笑)
2.これだけの情報が瞬時に得られる。しかも無料で。(笑)
今回ご教授いただいた知識を得るには,多大な時間・労力・費用が必要。

と言うことで,厳しいと思いましたが有り難いと思っています。
私の周囲にはきのこに詳しい方がいらっしゃらないので,図鑑やネットを見ながら子実体を見比べています。が,他の趣味もあって,きのこは中途半端な取り組みになっているのが実情です。(地元の「きのこの会」にも参加したりするのですが,1〜2年で退会せざるを得ない状況にあります)

虫のいい話ですが,この掲示板の皆様には当分の間いろいろご教授いただければ幸いです。よろしくお願いします。





出てきましたよ〜。  投稿者: レオピー 投稿日:2010/09/20(Mon) 19:40 No.1949

皆さんご無沙汰していました。

やっと気温も下がり北海道もきのこが出てきました。
土日できのこの会の秋の研修会が富良野で行われ参加してきました。
一人で先に回ったときはやっぱりないな〜と思っていたのですが、やはりきのこ好きの人たちですね。出るは出るはで名前がついただけで約120種は出ていました。恐るべしです。
興味深い所では、ニオイオオタマシメジ(部屋中が臭かったですね)やこれぞシャカシメジ、マツタケ(この場所で採取してないはず?)、それと、一見オシロイシメジで、よく見ると白色が薄いのとニオイが微妙に違うきのこ、でも
釧路地方では食べてるそうで、出たな地方きのこがありました。
そして、自分がトドマツ林でみつけた、ドギツイ赤色のイグチ?
バライロ? バライロとは違うとのことでした。

きのこ情報としては今年は全道でラクヨウ(ハナイグチ)が出ていないと口を揃えていたのと、マツタケ、バカマツタケが豊作で小樽でもバカマツが出たと
情報がありました。

残り1ケ月、今まできのこに集中出来なかったのでこれからラストまで頑張らなければ。





Re: 出てきましたよ〜。   nivalis - 2010/09/20(Mon) 23:45 No.1950

お疲れ様でした。
しかし、今年は雨が多いのに、なんかヘンですよね。
120種ですか〜・・・、この時期にしては少なかったですね。
きょうは私も休みでしたのでマイフィールドに行ってみました。
今年はじめてナラタケを見ました。


>バライロ? バライロとは違うとのことでした。

どんな点が違うのか聞いてみましたか〜?




Re: 出てきましたよ〜。   初心者きのこ - 2010/09/21(Tue) 00:32 No.1951

レオピー様
富良野ではお世話になりました。
今日は川湯温泉、仁伏で観察会があり参加しました。
ナラタケが爆発していましたが、テングタケ科、イグチ科あまり見当たりません。例年とはなんか違う気がします。
明日は小学3、4年生60人の観察会手伝いですが、正直にいうと元気な子供は苦手です。




Re: 出てきましたよ〜。   har.高橋 - 2010/09/21(Tue) 13:31 No.1952

レオピー様

ドギツイ赤色のイグチ、興味深く拝見させていただきました。
傘表面が著しい粘性を帯びているように見える点で、確かにバライロウラベニイロガワリとは異なるようです。色も違っているようです。ヒイロウラベニイロガワリにも似ていますが、ヒイロは通常柄の表面がもっと黄色っぽくなります。温帯〜亜寒帯の日本産ウラベニイロガワリ節につきましては種山様の方が詳しく知っておられると思います。




Re: 出てきましたよ〜。   種山 - 2010/09/21(Tue) 13:53 No.1953

レオピーさん こんにちは

見た瞬間「あ゛ーー!」と声をあげましたー。
これは、まさに今調査中のイグチです。まだ長野県と周辺の亜高山帯でしか発生が確認できていません。

肉眼的に、バライロとの違いは幼時から傘が真っ赤である点で、ヒイロとの違いは、ヒイロのように粘性のある傘ではなく典型的にはビロード状である点です。

もっとも近い物はBoletus flammans Dick & Snellです。


もしも標本になっているようでしたらぜひ欲しいなあと思ってますが、どうでしょうか。




Re: 出てきましたよ〜。   種山 - 2010/09/21(Tue) 14:07 No.1954

追記です

高橋様
>傘表面が著しい粘性を帯びているように見える点で、

これは雨天で水滴が付いているように見えます。
その点はどうでしたでしょうか。>レオピーさん

参考
http://boletus.sakura.ne.jp/labo/kisai/bts024a.html




Re: 出てきましたよ〜。   レオピー - 2010/09/21(Tue) 15:10 No.1955

皆さんこんにちは。

高橋さん、種山さん 
赤いイグチですが、私は持ち帰らなかったのですが、イグチを中心に調べているMさんが調べて見ると持って帰っているはずなので、早急に確認してみます。

種山さんの仰るとおり雨が降っていてぬめりあるように見えますが、傘はビロード状で、青変性があり、参考資料のイグチにそっくりです。

ニヴァリスさん
相違点 傘が赤すぎるとしか聞いていませんでした。ポリポリ。
(言い訳:名前書きが忙しくて、120種でも大変でした。)

初心者きのこさん
お疲れ様でした。
明日は頑張って下さい。


追伸;ラクヨウ(ハナイグチ)も出始めたみたいです。





Re: 出てきましたよ〜。   小山 - 2010/09/21(Tue) 15:46 No.1956

 みなさん、こんにちは

 種山さんが追っかけているB.flammansに近いものは私の見ているものと同じものだと思います。私もレオピーさんの写真のものは同じだと思います。

キノコの発生、本日の南アルプス前衛1900mラインはあまり芳しくありませんでした。




Re: 出てきましたよ〜。   レオピー - 2010/09/21(Tue) 19:26 No.1957

皆さんこんにちは。

種山さん
標本ですが、札幌市のM.Kさんが種山さんと面識があるとのことだったので
直接送ってもらえる様にお願いいたしました。
それと、種山さんの資料をM.Kさに送ってあります。




Re: 出てきましたよ〜。   種山 - 2010/09/21(Tue) 23:15 No.1958

レオピーさん

早速のご連絡ありがとうございました。
Mさんとは、少しばかり前に観察資料を交換しあっています。北海道へ行った際にはぜひお会いしたい方です。宜しくお伝えください。




Re: 出てきましたよ〜。   ヒラタケ - 2010/09/22(Wed) 08:43 No.1959

レオピーさん、nivalisさん、どうもです。

先週末は20日以外は仕事でキノコ採りがままならない状況でした。それでも出張先の帯広近郊で宿泊先周辺でナラタケ、ウスヒラタケ、ヌメリスギタケモドキをたくさん採ってきました。20日は連休3日目で採られてしまっているかもしれないと思いましたが、札幌市内のいつもの場所に行ってきました。ナラタケはあちこちで爆発していました。ハタケシメジも本格的な発生が始まったみたいでかなりの収穫。ラクヨウだけは発見できず(シロヌメリは小さいのを数本発見)、採られてしまっているのか、発生していないのか定かではなかったのですが、やっぱりまだ出ていないのですね。相変わらずウスヒラとタモギも出ていて、今シーズンは夏が長かったせいで、ウスヒラとタモギは食べ飽きた感が強いです。それでも見つければ収穫してしまうのは業でしょうか。折角キノコ本番になったのに今週末は米国出張でつぶれてしまい恨めしいです。10月から本格的に頑張ろうと思っています。




Re: 出てきましたよ〜。   レオピー - 2010/09/23(Thu) 20:38 No.1960

ヒラタケさんこんばんは。

アメリカですか?
これはまた遠いですね〜。
気をつけて行ってきて下さいね。
今週は道民の森に行ってきます。





ニッケイタケ?  投稿者: konpas 投稿日:2010/09/07(Tue) 13:58 No.1938   HomePage

皆さん,こんにちは。いつも教えていただきありがとうございます。

今年の7月4日の福島県安達太良山の登山中(標高1400m付近)に見つけました。
「こんなザレた岩場にもきのこがでるのかぁ」と感心しました。周辺をよく見るとコケ状の植物やポツポツと高山植物が生えているので,それらから発生しているのかなと思ってみてきました。
でも,このきのこの発生状況を見ると,まさに岩からでているように見えます。
改めて「きのこっておもしろいなぁ」と思いました。
駄文で失礼しました。





Re: ニッケイタケ?   nivalis - 2010/09/09(Thu) 19:52 No.1941

konpasuさん、こんにちは

ついつい見過ごしてしまうキノコですが
きのこの出るような場所でないところに、キノコが出ていると
「おやっ?」って思いますよね。
たぶん、ニッケイタケでよいと思います。
下の真ん中の写真を拝見すると、岩に菌糸をはびこらせているように見え
何から栄養を吸収しているのか分りませんけど
きっとニッケイタケにとって、そこそこ住みごごちが良かったのでしょうね。





シシタケかコウタケか  投稿者: nivalis 投稿日:2010/09/06(Mon) 09:11 No.1933

 北海道で、コウタケを採取したことのある方にどんなところに発生していたのか尋ねると9割の方が「トドマツ林で」と答えます。カラマツ林で採取したという方もいます。
 これまでシシタケSarcodon imbricatusは日本新菌類図鑑などに「へそ状にくぼむだけで柄は中実である」とあり、本菌は幼菌時から柄の基部までロート状になっていることから、コウタケはトドマツ林にも出ると皆(北海道では)思っています。
 西日本では針葉樹に発生するコウタケをニセコウタケと呼んでいるようで、ニセコウタケはより大型であると聞いたことがありますが、今ひとつ分りません。大きさと発生環境の違いで別種なんでしょうかね?
 昨年発刊された東北きのこ図鑑ではシシタケとコウタケについて「比較検討する必要がある」とされていますが、すでに日本新菌類図鑑でも比較検討が望まれ、ずっとオザナリ(ナオザリ?)にされてきた種かな…と思わされています。




Re: シシタケかコウタケか   コナン - 2010/09/13(Mon) 21:05 No.1943

nivalis 様

朝晩すっかり寒くなりそろそろ暖房が恋しくなりましたが、ますますご活躍のご様子何よりです。

さて、シシタケとコウタケに関してのお話が出ましたので、若干ですがコメントを追加させていただきます。

>東北きのこ図鑑ではシシタケとコウタケについて「比較検討する必要がある」とされていますが、すでに日本新菌類図鑑でも…

同じ「比較検討する必要がある」の表現でも、日本新菌類図鑑と東北きのこ図鑑では多少意味が異なります。

ヨーロッパでは長い間 Sarcodon imbricatusと S. squamosusが混同されてきており、同一種とされてきましたが、近年、これらはそれぞれ独立種とするべき報告がなされているようです。しかし、日本新菌類図鑑でのシシタケ S. imbricatusの解説は、Sarcodon imbricatusと S. squamosusが混同されていた時代のものであり、どちらかと言えば S. squamosus に近い内容となっております。最近の報告ではヨーロッパの S. imbricatus そのものは、より日本のコウタケ S. aspratus に近いもの(生態的には違うとされるが形態的な差がほとんどない)とされていることから、「今後、いろいろな方向から比較検討する必要がある」としているものであり、決して「オザナリ(ナオザリ?)にされてきた」のではなく、日本新菌類図鑑からさらに一歩踏み込んだ意味での「比較検討」となっておりますのでご理解ください。




Re: シシタケかコウタケか   nivalis - 2010/09/15(Wed) 22:40 No.1945

コナンさん、すみませんでした〜。

これまで、シシタケの柄は中実で基部まで窪まないとされてきていましたよね。それがマツシシタケS.squamosusで、針葉樹林に発生し、ニセコウタケと言われているのがシシタケと理解して良いんですよね?

>ヨーロッパでは長い間 Sarcodon imbricatusと S. squamosusが混同されてきており

 伊藤誠哉先生がかつて報告したコウタケ(広葉樹林に発生)は、もしかしたらS. imbricatusの可能性があると理解して良いわけですね。
 従来、柄が中実なのはシシタケでマツシシタケは、そのシシタケとは別なのだろうかとよく分っていませんでした。

>一歩踏み込んだ意味での「比較検討」

シシタケとマツシシタケ(旧シシタケ)にきちんと分けた上での「比較検討」だったのですね。すみませんでした。




Re: シシタケかコウタケか   コナン - 2010/09/16(Thu) 01:52 No.1947

nivalis 様

ほぼ、nivalis 様のご見解のとおりでよろしいかと思います。

私の勉強不足で、ニセコウタケというのはよく分かりませんが、大雑把にまとめますと、ヨーロッパではトウヒ属の林に発生するものがSarcodon imbricatus(傘の中央が深くくぼむ種)、マツ属の林に発生するものが S. squamosus(傘の中央が深くくぼまない種)とされております。
これに日本の広葉樹の林に発生する S. aspratus があるわけですが、S. imbricatus と S. aspratus では、発生する林の樹種の違いを除いて極めて形態的に類似しているということでしょうか。
そのため、今後の比較検討が必要かと思っております。なお、北海道ではモミ属の林にも類似種が発生するようですが、こちらのものは確認しておりませんので、私にはよく分かりません。

日本にはこの辺を調べている研究者がいないため(失礼、昔 Sarcodon を調べたときの状況で、現在は分かりません)、特に混同されているようです。私も以前 Sarcodon をかじってみましたが、ヨーロッパでは前述の種が混同されている可能性があること、日本にこの辺の指導者がいない(何時も他力本願です)こと、大変渋いこと(?)であきらめました。

なお、上記のほかにも日本には Sarcodon の未記録種は沢山ありますが、これらまでも、上記の種と類似しているというお話になりますと(私には類似しているようには思いませんが)、きりがありませんので触れないことにします。

以上、参考にもならないことをだらだらと述べてしまいましたが、Sarcodon は私の専門外ですので、この辺でお話を終わらせていただきたいと思います。




Re: シシタケかコウタケか   nivalis - 2010/09/17(Fri) 20:45 No.1948

>日本にはこの辺を調べている研究者がいないため

研究対象なので送ってくれぇと言われれば、その方に喜んでお送りするのですけどね。残念です。

>参考にもならないことをだらだらと述べてしまいましたが、

いえいえ、とんでもありません。
日本における Sarcodon の状況がわかりました。
ありがとうございました。





キタマゴタケ改めチャタマゴタケ...  投稿者: gorosuke 投稿日:2010/09/05(Sun) 14:00 No.1931

先日スレッドNO.1893で話題にしたキタマゴタケの話の続きです。気になっている方もいると思いますので分かった範囲で説明します。私の見つけたキタマゴタケについて少し疑問をもっていたCさんは、関西で開かれた観察会にきのこを持ち込み、普段からタマゴタケに関心を持って観察研究している何人かの方に見てもらったそうです。その結果やはりキタマゴタケとするには無理があり、細かなことはおぼえておられないようですが、その場ではチャタマゴタケの黄色タイプという結論になったようです。「これはあくまでも私個人の見解ということにして欲しい」とのことなのでこれ以上ふれませんが、私が見つけたキタマゴタケについて、別種とする意見を持つ方が少なからずいるという現実は謙虚に受け止めたいと思います。私個人としては柄の模様は「同種間の変異の内」との立場をとっており、ファイル名は書き換えません。しかし私もA.hemibaphaとA.caesariaを柄の模様で見分けているので、“チャタマゴ説”を完全否定することはできません。




Re: キタマゴタケ改めチャタマゴ...   nivalis - 2010/09/05(Sun) 19:41 No.1932

 その後の話をありがとうございます。

>キタマゴタケとするには無理があり
>その場ではチャタマゴタケの黄色タイプという結論になったようです

実際に何度もキタマゴタケをご覧になっている方たちの意見や
No1900でNAVAさんも「キタマゴタケ、チャタマゴタケにも複数の系統があるようです。」と仰っていることから、傘色が黄色いからといってそれが=キタマゴタケだとは言い切れないし、キタマゴタケとは別種の可能性もあるということですね。
 
 この話を機に、「北海道きのこ図鑑」増補版に掲載されているキタマゴタケを見ましたが、こちらは従来キタマゴタケといわれているものとは少し違うんじゃないかって気がしています。




タマゴタケ類について   種山さんの地元S大のE - 2010/09/06(Mon) 16:34 No.1935

種山さんの地元S大のEです。

掲示板毎日見させてもらっています。
キタマゴタケに関しましては、これまでに、柄の黄色いタイプ(長野県産)と白いタイプ(大分県産)を見たことがあります。しかしながら、顕微鏡レベルでも、rDNAITS領域レベル(98-99%一致)でも区別できません。おそらく、柄の色は誤差の範囲ではないかというのが僕の見解です。

しかしながら、柄の白色タイプと黄色タイプのいずれにおいても、Oda and Tanaka(1999)で供試された茨城県産標本とITSレベルで約89%程度しか一致しません。このことから、私とOさんのシーケンスデータが正しいとするならば、日本にキタマゴタケなる菌は2種ある可能性は大いにあります(菌学会 in 玉川大にて発表)。

大分きのこの会のH氏よりチャタマゴタケの黄色型(大分県産)の標本を頂きましたが、キタマゴタケと横に並べてみると、明らかに違います。キタマゴタケの黄色は鮮黄色なのに対し、チャタマゴタケの黄色型はくすんだ汚い黄色をしています。また、チャタマゴタケの黄色型は、傘の中央が茶色〜オレンジに近い茶色をしています。掲示板の写真を見る限りでは、私はチャタマゴタケの黄色型よりはキタマゴタケ的な感じがします。


タマゴタケの柄の斑模様の有る無しも、誤差の範囲だと思います。
長野県では、低地のコナラ林(500m程度)〜高地(2500m程度)のシラビソ林まで連続的にタマゴタケが分布しています。低地になればなるほど、柄の斑模様は濃く、細かくギザギザしています。高地になればなるほど、柄の模様は不明瞭になっていきます。中間(100m-1500m)のミズナラやウラジロモミ林では、その中間的な模様のものが発生します。低地に出るものでも、日陰に出るものと、日向に出るもので、模様の明瞭さに違いがあり、日陰に出るものの方が、模様が不明瞭です。また、低地のコナラ林で採取された柄の斑模様は濃く、細かくギザギザしている標本と、高地(約2000m)のシラビソ林で採取された、柄の模様が無い標本は、ITSレベルでは、100%一致し、識別不能です。さらに、昨年北海道林産試験場のG氏より頂いた傘がオレンジ色で、柄にまだら模様の無く、ズングリした矮性の個体と長野県コナラ林で採取された個体はITSレベルでは100%一致しました。

>A. caesareaですが、担子器の基部にクランプがあるのがタマゴタケと異なる特徴です。

北陸のきのこ図鑑では、担子器の基部にクランプがないのがタマゴタケと異なる特徴と記載されています。
しかしながら、菌糸にクランプがありながら、担子器の基部にクランプの無い担子菌は存在しません。クランプを持つ菌にとって、クランプは供役核分裂時の重要なバイパスであり、これが無いということは、その部位で供役核分裂が起こっていないということになってしまいます。したがって、この観察は誤りである可能性が高いです。

スペイン産A.caesarea乾燥きのこ(商品)と日本産タマゴタケを比較してみると、A.caesareaの胞子は、A.hemibaphaの胞子(類球形〜広楕円形)と比較してより楕円に近い形です。

まだ実験途中であるため、僕のデータが正しいとは言い切れませんし、日本にA.caesareaが無いとも言い切れませんので、皆さん頑張って探してみてください。




Re: キタマゴタケ改めチャタマゴ...   種山 - 2010/09/06(Mon) 20:11 No.1936

Eさん

登場しましたね!
A.caesareaについては、最近発刊された新潟県の図鑑に載っている模様です。
私は未入手です。(イグチが少ししか載っていない・・・)

聞くところによるとかなり大型でがっしりした子実体の写真があるそうです。




Re: タマゴタケ類について   nivalis - 2010/09/07(Tue) 01:50 No.1937

Eさん、ありがとうございます!

>タマゴタケの柄の斑模様の有る無しも、誤差の範囲だと思います。
>低地のコナラ林で採取された柄の斑模様は濃く、
>細かくギザギザしている標本と、高地(約2000m)のシラビソ林で採取された、
>柄の模様が無い標本は、ITSレベルでは、100%一致し、識別不能です。

そうでしたか。
柄のダンダラの有無だけでA.caesareaかどうかと判断するのは早計なんですね。ちゃんと胞子を見てから判断した方が良さそうですね。

>A.caesareaについては、最近発刊された新潟県の図鑑に載っている模様です。

私も入手していないので、どんなふうに紹介しているのか分りませんけれど、
本当のA.caesareaだとすれば、日本では初発見になるのでしょうか…。

>皆さん頑張って探してみてください。

今年はタマゴタケの発生が非常に悪いです。
もう少し朝夕涼しくなると、出てくるように思うので
張り切って探してみたいと思います。




Re: キタマゴタケ改めチャタマゴ...   NAVA - 2010/09/07(Tue) 19:34 No.1939

E君、お久です。 

A. caesareaのクランプの件、ご教授ありがとうございます。
私もヨーロッパの本物を見たわけではなく、FUNGI EUROPAEIの図と北陸図鑑が同じく担子器にクランプがある事を書いてるとの認識でした。
たしかに、スイス図鑑の図では、とてもクランプかそれに類する構造があるようには思えませんね。

私もAmanitaに興味を持っている者として、E君とお話しすることを楽しみにしています。
Y先生の手前、なかなかしゃべり難い事も有るかと思いますが、また色々教えてくださいね。

そういえば、愛媛フォーレ参加者に名前がないようだけれど、今回は見送りですか?




Re: キタマゴタケ改めチャタマゴ...   gorosuke - 2010/09/07(Tue) 21:23 No.1940

>Eさん
詳しく説明を頂いて色々疑問が解けました。ありがとうございました。

>最近発刊された新潟県の図鑑
私はフウセンタケが見たかったので買いました。完全に初心者向けでもありませんが顕微鏡的観察デ-タが省かれているので皆さんにはやや物足りないかもしれません。確かに一目見てA.hemibaphaと違うきのこの写真が掲載されていて、1.大型で、傘は単純な山形 2.傘周辺の条線は短い 3.柄にだんだら模様が無い 傘に比べて柄が太い と特徴が書かれています。




Re: キタマゴタケ改めチャタマゴ...   イグチ 潔 - 2010/09/09(Thu) 23:22 No.1942   HomePage

 gorosuke さま:



   >細かなことはおぼえておられないようですが・・・

 採集会などで、自分の見解(私見)をどなたかに解説するに当り、「細かいことは覚えていない」というのは通りません(それなら、敢えて開陳しないほうがよい・・・).
 見解が正しいか否か以前に、Cさんはやはり、やや無責任ではないかとの謗りを免れないかと感じます ^へ^;




   >一目見てA.hemibaphaと違うきのこの写真

 写真が何十枚も掲載されており、そのいずれもが「一目見てA.hemibaphaと違うきのこ」であるのなら別ですが、1〜2枚の写真で「同じきのこ」なのか「違うきのこ」なのかを脳内判定し、その判定に基づいて理論を展開するのはあまり堅実ではない・・・と思いますが.
 絵合わせで、あるきのこの外観イメージを掴むのならば、できるだけたくさんの写真あるいは描画図を、できるだけさまざまな著者の手になる、できるだけ多くの図鑑で眺めないと危なくてしょうがないと感じます.
 私の目も、ものすごく当てにならなくて、写真どころか実物のイメージで「たぶん〇〇タケだろう」と思っても、詳しく調べたら全然別の菌だったというパターンを何十回となく繰り返しています(汗).

 人間の目や人間の脳は、想像以上に当てにならないものだと常に認識しておいたほうがよいかと考えます.



  Eさま:

   >菌糸にクランプがありながら、担子器の基部にクランプの無い担子菌は存在しません

 菌糸の隔壁部にも担子器の基部にもクランプがないものや、担子器の基部のみにクランプを有するものは現にあるようですね.
 「ない」というのを証明するのは大変です.クランプの有無のみに基づいて分類群を識別するのは危険だと感じています.また、クランプの有無は、それなりの点数の標本資料に基づき、丁寧な顕微鏡的観察(注意深い切片作成・きちんとしたプレパラート作成・正確な顕微鏡の調整など)を前提にしないといけないのでしょうね.



 NAVAさま


   >スイス図鑑の図

 図はかなり模式図化されていますし(苦笑).日本を含むアジア地域の菌を、Fungi of Switzerland や Fungi europaei で同定するには、「だいじょうぶかなあ?」、「これで正しいのかなあ?」という懸念が、いつもつきまとっています.




Re: キタマゴタケ改めチャタマゴ...   種山さんの地元S大のE - 2010/09/14(Tue) 20:00 No.1944

種山様 nivalis様 gorosuke様

新潟県のきのこ図鑑(新潟きのこ同好会編)なら持っています。
セイヨウタマゴタケですが・・・
1.大型で、傘は単純な山形
→写真のスケールが分からない
A.hemibaphaでも、傘直径が20cmを超えることが有り、大きさは当てにならない
長野県産A.hemibaphaとrDNAITS 領域にて一致を確認した北海道産標本も傘は山形でした

2.傘周辺の条線は短い
→同じく、写真のスケールが分からない
具体的な数字で比較されていないので、何とも言えない

3.柄にだんだら模様が無い
→だんだらの有無は当てにならない

4.傘に比べて柄が太い
→地面が固かったり、リターが厚かったりすると、A.hemibaphaでも柄が太くなることがあります

胞子のサイズ、担子器のサイズ、DNAといった学術的情報に基づいていないことから(アマチュアにそこまで求めるのは恐縮ですが・・・)、
この図鑑に記載されているA.caesareaを鵜呑みにはできないかと思います。



イグチ 潔様

>菌糸の隔壁部にも担子器の基部にもクランプがないものや、担子器の基部のみにクランプを有するものは現にあるようですね.「ない」というのを証明するのは大変です.クランプの有無のみに基づいて分類群を識別するのは危険だと感じています.また、クランプの有無は、それなりの点数の標本資料に基づき、丁寧な顕微鏡的観察(注意深い切片作成・きちんとしたプレパラート作成・正確な顕微鏡の調整など)を前提にしないといけないのでしょうね

ご指摘ありがとうございます。これまで、クランプの存在しないと言われてきたRussulaやBoletusも、本当にクランプが無いのかどうかは、疑う余地があるかもしれませんね。クランプの頻度が非常に低いがために発見されていない可能性もあります。また、クランプありと言われている菌でも、部位、組織ごとにクランプの頻度が異なることも有ります。タマゴタケは、子実体および菌根には高頻度でクランプが存在するが、培養菌糸にはクランプが殆ど見られません(キタマゴタケに至っては探しているが未発見)。しかしながら、rDNAITS領域のPCR-RFLPでは、分離源とバンドパターンは一致します。クランプの有無がいかに当てにならないかが分かります。菌糸にクランプがありながら、担子器の基部にクランプの無い担子菌がいないかどうかについても含めて、全てを疑ってかかった方がいいでしょうね。



NAVA様
>そういえば、愛媛フォーレ参加者に名前がないようだけれど、今回は見送りですか?

大変申し訳有りませんが、今回は見送らせて頂きます。




Re: キタマゴタケ改めチャタマゴ...   nivalis - 2010/09/15(Wed) 22:58 No.1946

>この図鑑に記載されているA.caesareaを鵜呑みにはできないかと思います。

 図鑑の中には、A.caesareaは柄のダンダラがないと記載されているものがあり、いつのまにか、チマタではその部分だけが取り上げられ一人歩きしていたように思います。目からウロコです。勉強になりました〜。





愛媛フォーレ  投稿者: nivalis 投稿日:2010/09/02(Thu) 09:24 No.1930

 日本菌学会菌類観察会が10月9・10・11日に、四国の愛媛県で開催されます。参加申し込み〆切日が過ぎましたが、宿泊に若干の余裕があります。
 四国は行ったことがないので、こんな機会でもなければ行くことはないだろうなぁ…と私は参加予定で、愛媛フォーレを楽しみにしています。
 掲示板をご覧になり、もし行ってみようかと思われる方がいらっしゃいましたら、ぜひ参加されてみてください。お待ちしています。
 案内・詳細は下記PDFファイルをご覧ください。

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