白いツエタケ 投稿者:
gorosuke 投稿日:2013/09/29(Sun) 23:19 No.2569
私のパソコンにも白いツエタケがありました。 nivalis 様が観察されたものと同じキノコかどうかわかりませんが写真をアップします。
Re: 白いツエタケ
nivalis - 2013/09/30(Mon) 16:34 No.2570
広島フォーレから今日帰宅しました。 写真を見せてくださりありがとうございます。 フォーレではN澤先生のツエタケに関するご講演があり 白いツエタケについて、講演が終わった後お尋ねしてみました。 アルビノの可能性がある(アルビノがあってもおかしくない)と仰っていました。 私が見た白いツエタケは顕微鏡観察ではオキナツエタケに近く、胞子はアーモンド型からレモン形でした。オキナツエタケの白色形の可能性、あるいはアルビノの可能性もあり、もう少し要観察かなぁ・・・です。 gorosukeさんの白いツエタケは、材上で胞子は楕円形なので私が見た白いツエタケとは完全に別種です。 質疑応答では、地上から発生する広義のツエタケは材から発生することがあるのか質問しました。 ツエタケは偽根が地中の材につながっていますが 通常地上にある材から発生しないとのことで 明らかに材から発生するツエタケは、キノボリツエタケ節になるそうです。
Re: 白いツエタケ
gorosuke - 2013/10/01(Tue) 23:22 No.2574
>完全に別種 傘表皮の特徴がnivalis様の観察されたものと少し違うのでそうかと思っていました。白いツエタケがすべて同種であれば日本中のきのこマニアや研究者が助かったのに残念です(笑)。
Re: 白いツエタケ
O前 - 2013/10/03(Thu) 19:02 No.2575
gorosuke様 最近、地上生の材から発生する広義のツエタケの仲間で、 Ponticulomyces orientalisという種が鳥取大学の牛島先生によって報告されています。 本種は一般的にヤブツバキから発生する特徴があるらしく、仮に写真の材がヤブツバキの枯死木なら本種と比較検討してもいいかもしれません。(本種は一般的にはもっとまとまって生えるらしいですが…)
Re: 白いツエタケ
コナン - 2013/10/04(Fri) 00:43 No.2576
nivalis 様 ご無沙汰しております。 フォーレに参加されてN澤先生のご講演を聴かれたということで何よりです。 ところでご参考までに >ツエタケは偽根が地中の材につながっていますが >通常地上にある材から発生しないとのことで・・・ についてですが、 ツエタケ類は倒木などに生えることはありませんが、かなり腐食が進んだ切り株では普通に出てきます(実は切り株の表面から出ているように見えるが、もっと中の方から出てきている)。これは、切り株は地上の材というよりも根などが地中に繋がっているためと思われます。そのため、ツエタケかどうかは採集し偽根の有無を確認してみる必要がありますが、写真のツエタケ様のきのこは、腐食が進んだ切り株から発生したツエタケ類(例えばコブリブナノモリノツエタケXerula orientalis var. margaritella※などのような)のようにも見えます。 ※ 属名は近年 Hymenopellisが提唱されています。
Re: 白いツエタケ
nivalis - 2013/10/04(Fri) 21:29 No.2577
O前さん、ご無沙汰しております。 お元気でしたか? Ponticulomyces orientalisは下記サイトの要旨を拝見するとhttp://repository.lib.tottori-u.ac.jp/Repository/metadata/3603 『H. ligno-orientalis (Zhu L. Yang) Ushijima, com. nov. (新組み合わせ)を提案した.』とありますね。 今後はHymenopellisになるのでしょうか・・・。 gorosukeさん P. orientalisの傘は1.5-8cm、色はおおよそクリーム色から黄褐色のようです。 gorosukeさんの写真を拝見すると全くの白色ではないようで 今もまだ、写真の腐朽切り株が残っていて再び発生の確認が出来たら O前さんが仰るように比較検討すると面白いかもしれませんよ。 参考までに、Ponticulomyces kedrovayae (キノボリツエタケ)の写真が 下記ページの右側にあるLook Insideから見ることができます。http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10267-011-0147-y#page-1 ----------- コナンさん、ご無沙汰しております。 コメントありがとうございます。 >かなり腐食が進んだ切り株では普通に出てきます う〜ん、、、そうでしたか。 下の写真は、昨年撮ったもので切り株の根から発生していて 材上性なのか、それとも地上性でも材から発生することがあるのだろうか とずっと引っかかっていて、N澤先生に質問しました。 今日、再度発生していないか見に行ってきたのですが、残念ながら出ていませんでした。 来週辺りもう一度行ってみようと思っています。 >※ 属名は近年 Hymenopellisが提唱されています。 R.H. Petersen著の「The Xerula/Oudemansiella Complex (Agaricales)」2010で Hymenopellisが提唱され、現在は普通になりつつあるのかなと思っていたら MycobankやIndexfungorumではHymenopellisがシノニムになっているので 「はて?」と思っていました。まだ一般的ではないということなんでしょうか。
Re: 白いツエタケ
gorosuke - 2013/10/05(Sat) 22:28 No.2578
O前 様 アドバイスありがとうございます。 >ヤブツバキ 私はコナラだと思っていましたが次回確認してみます。 コナン様 >腐食が進んだ切り株 私もこのツエタケが樹上生とは考えていませんでした。 皆様 思いがけずたくさんのコメントを頂きありがとうございます。私だけでなく多くの方がツエタケに注目していることが分かりました。nivalis様の「ノ−ト」を参考にさせて頂いて検討したいと思います。
Re: 白いツエタケ
O前 - 2013/10/06(Sun) 23:58 No.2579
gorosuke様 樹上生でなく、偽根が確認されるのであれば、コナン様のおっしゃるように一般的なHymenopellisの可能性が高いと思われます。 nivalis様 ご無沙汰しております。 最近は修士時代の研究をまとめている最中で、不得手な英語と格闘し、気が滅入っています。 (神奈川県の某学芸員に校正をお願いすると、赤だらけで帰ってきます(泣)) ただようやく目途が立ってきたので、今年中には何とかしたいところです。 フォーレにも参加したかったのですが、栃木からだと結構お金がかかってしまうので、今回は見送りました。 また予定が合えば参加したいと思いますので、その際はよろしくお願いします。 >『H. ligno-orientalis (Zhu L. Yang) Ushijima, com. nov.(新組み合わせ)を提案した.』とありますね。 >今後はHymenopellisになるのでしょうか・・・。 恥ずかしながらPetersenの2010年の文献や牛島先生の学位論文は拝読していないので何とも言い難いです。 しかし、想像するに、Petersenのデータに、牛島先生が所有のデータを加えて改めて分子系統解析を行ったところ、Petersenらの樹形と異なる、より信頼性の高い系統樹が得られたということではないでしょうか。 学位論文の段階なのでH. ligno-orientalisはまだ正式には認められていないと思いますが、将来的には菌学関連の雑誌に発表する予定だと思います。 >MycobankやIndexfungorumではHymenopellisがシノニムになっているので 私も一時期「index fungorumこそが最新の分類体系なんや!」という勘違いをしていた時期もあるのですが、アレは参考程度で良いかと思います。 Petersenの文献を読んでいないので何とも言えませんが、Hymenopellisを分子系統学的に否定するような論文でも発表されない限り、しばらくはHymenopellisが普通になっていくのではと思います。 余談ですが、牛島先生の学位論文要旨に掲載されているコンペイトウ型の胞子を持つというDactylosporinaなる菌が気になります。 平塚市博物館のキノコ類標本目録に載っているトゲミフチドリツエタケがこれにあたるのかと推察しているのですが、ツエタケの仲間を観察してこんな胞子だったら驚愕するでしょう。
Re: 白いツエタケ
nivalis - 2013/10/08(Tue) 09:09 No.2580
O前 様 コメントありがとうございます。 >ただようやく目途が立ってきたので、今年中には何とかしたいところです。 頑張ってくださいね (っ`・ω・´)っ >アレは参考程度で良いかと思います。 そうですね、以前にH部先生やH矢先生にも盲信しないように言われたことがあります。 間違っていることもある、そのことを念頭に置きたいと思っています。 >Hymenopellisを分子系統学的に否定するような論文でも発表されない限り、しばらくはHymenopellisが普通になっていくのではと思います。 次に出されるDictionary of the Fungiを見てから「はて?」と思っても良いことなのかもしれませんね。 >ツエタケの仲間を観察してこんな胞子だったら驚愕するでしょう。 驚愕すると思います。Petersenの2010年の文献にも4種類くらい載っていて、パラパラとめくったとき、ツエタケの仲間にこんな胞子もあるんだと思っていましたが、いつか日本の図鑑に載る日も来るのかな?と牛島先生のご活躍を期待したいと思います。